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専業主婦優遇制度「3号」について

『専業主婦優遇「3号」廃止見送り 厚労省、次期年金制度改革で』の記事について ※12/12(木)毎日新聞

コメントをしている専門家の中で

「3号廃止」に反対

●「働かずに年金を受け取れることに対する不公平感も残る」という指摘もあるが、専業主婦が行う家事・育児は市場評価されていないだけで労働していることに変わりはない。実際に外に出て働くと仮定して家事・育児を市場評価すれば、その報酬は年収換算で300万円を超える。専業主婦が働かずに年金を受け取っているという指摘は当たらない。

●多様な属性の者を含む第3号被保険者の所得保障の柱として機能している制度

 

「3号廃止」に賛成

●第3号被保険者制度は、会社員らに扶養される配偶者が年金保険料を納めなくても基礎年金を受け取れるのであって、明らかにサラリーマンの専業主婦を優遇する制度。共働き家庭やシングルマザーなどは、いくら家事労働をしても、年金保険料を納めなくてはいけない。

 

では、なぜ「3号」廃止が取り沙汰されているのか

●パート従業員らの働き控えを招く「年収の壁」の温床と批判され、連合や日本商工会議所、経済同友会が中小企業の人手不足を背景に「将来的な廃止」を求める提言したからである。

 

不公平をなくすためには、所得のある人全員から保険料を徴収するしかないです。現在の第3号被保険者も所得のある人は保険料を払う。所得のない人(育児・介護等で働けない人)は、夫の所得制限を設けたうえで救済措置を講じる。そして、生活保護費は現金支給を止め現物支給にする。そうしないと全体の不公平はなくなりません。

 

「働き控え」と言いますが、生活する上でどう働くのが一番良いかを考えた結果であり、今は専業主婦またはパートとして働き配偶者の扶養に入ることを選んでいるだけです。長時間働けるようになったら、もっと所得を増やしたいと思ったら、自分から働きます。また、この国は家事・育児に対する評価が低すぎるのが問題。

 

「人手不足」は第3号被保険者制度とは関係ありません。労働人口が減っているのですから人手不足は当然です。人口が減少している国は人材・労働力の確保に必死に取り組んでいます。仮に人口を増やすためならば今と逆の政策、女性を働かせるための支援ではなく、女性が家庭にいられるようにする支援が必要だと思います。

 

政治家も専門家(と呼ばれている人)も言ってることが滅茶苦茶です。こうやればいい、ああやればいいと、「やり方」ばかり言っているからです。

基礎控除の引き上げに関してもそうですが、制度のことをきちんと理解し、目的を持って発言しているのだろうか。甚だ疑問です。

 

 

※イラストはイラストACからお借りしました